おはようございます。
テンキーレスキーボードに拘っている豚ミンチ (id:Pork_Mince)です。
今回はテンキーレスのメリットや、初心者向けにPCキーボードの選び方を解説していきます。
目次
はじめに
自作派のみならず、デスクトップPC愛用者で「拘らない人は居ない」と思われるキーボード。
動けばいいと爆安品を買うのか。
ゲーマーだからRazerの光モノを買うのか。
価格に比例して東プレが最強なのか。
とにかく物凄い種類の製品があり、選ぶ基準が分かりにくいガジェットでもあります。
自分のスタイルは撫で打ちの光速タイピングなのか、ガッツリ底打ちのハードパンチャーなのか。
ゲームで長時間酷使するのか、Excelで大量の半角数字を入力するのか。
キーボード選びは構造や機能を学び、一度自分自身を振り返る事から始まります。
そして、自分にとってベストな条件を知るには、多くの製品を試す膨大な時間が必要になります。
参考までに、筆者が辿り着いた最終回答は、
これらを最低限押さえた上で、購入対象を絞っていく事になるでしょう。
皆さんも素敵なキーボードに出会えると良いですね!
キーボードの構造
市場に出回っているPCキーボードは価格の幅が広く、自作PC初心者などはどこが違うのか興味を持つ人も居るかもしれません。
BUFFALOは980円なのに、東プレって何であんなクソ高いの?
ゲーマーが使っているメカニカルキーボードって何?
その答えは、キーボードの構造を知れば何となく見えてきます。
現在流通しているキーボードの構造は、大別して4つ。
パンタグラフ式とメンブレン式は根本的に同じ仕組みなので、正確には3種類に分類されるでしょうか。
それでは各構造の特徴を解説します。
メンブレン式
スイッチが1枚のシートになっており、その上にシリコンキャップとキーキャップが乗っています。
キーを押すとその下のシリコンキャップが潰れてスイッチシートに接触し、入力されたキーを認識する、という構造です。
シリコンキャップはキーを保持したり、押し戻す役割も担っており、酷使する事で反発力が落ちていきます。
また、シリコンキャップを押し潰す独特の重い打鍵感から、軽いタッチを好むユーザーが指の疲労感を訴える例もあります。
結局のところメンブレン式は、そこそこ耐久性があり、静音性に優れ、安価な点から、最も流通しているタイプです。
1,000円未満の爆安品も出回っており、コスパに優れています。
ヘビーユーザーの視点で見ると、高価で高耐久なキーボードを買うより、爆安メンブレンを使い潰して買い換える方が最終的に安上がりでしょう。
パンタグラフ式
ノートPCを含む薄型キーボードに採用されるパンタグラフ式は、メンブレン式の亜種とも言えます。
メンブレン式のシリコンキャップの周辺に、パンタグラフと呼ばれるプラスチックの支持機構を備えて、キーストロークの浅い薄型キーボードの設計を可能にしています。
薄型キーボードでよく耳にする「シザー式」や、Appleの「バタフライ式」と呼ばれるタイプも、構造上はパンタグラフ式に分類されます。
このタイプのキーボードは支持機構と浅いキーストロークにより、軽い打鍵感と静音性が特徴です。
しかし、余計な細工をしてある分、メンブレン式より価格が上がり、支持機構そのものが脆く耐久性に難があります。
キーキャップを引き抜くと高確率で壊れるので、掃除も極めて困難です。
薄いので持ち運びには便利ですが、ガッツリと底打ちするようなハードパンチャーや、ゲームで酷使する用途には向かないでしょう。
メカニカルキーボード
メカニカルキーボードはキースイッチが独立しており、バネの力で押し込む構造です。
キースイッチ自体もメンブレン式よりも耐久性が高く、壊れたキーを単体で交換する事も可能です。
メンブレン式に比べて価格が高く、打鍵音が大きいという欠点があります。
メカニカルキーボードはキーを押し込んだ際に反応する深さ、重さ、打鍵音の違いで、いくつかの種類があります。
以下は代表的なキースイッチ(軸)の種類になります。
青軸 | 茶軸 | 赤軸 | |
---|---|---|---|
打鍵音 | 極大 | 大 | 大 |
押下圧 | 中 | 中弱 | 弱 |
クリック感 | 強 | 中 | 弱 |
クリック感を除く各項目は、一般なメンブレンと比較し、筆者の体感によるものです。
軸の種類は他にもあり、ゲーミングデバイスメーカーのRazerは緑軸や黄軸といった独自のモノを採用しています。
いずれにしても好みが分かれるモノなので、初めてメカニカルキーボードを選ぶ際は、店頭で実機を試打する事をオススメします。
静電容量無接点方式
東プレのREALFORCEやPFU Happy Hacking Keyboardなど、所謂プレミアムキーボードと呼ばれる製品に採用されている方式です。
静電容量の変化で入力を認識する仕組みで、物理的な接点を持たない構造になっており、メンブレン式よりも耐久性も高く、メカニカルキーボードのような騒音も目立ちません。
キーを押す際の荷重の変化がスムーズで軽く、構造上チャタリング(2重入力)が発生しない事から信頼性も高く、事務職や金融機関で使われる事が多いです。
欠点はとにかく価格が高すぎる事。
称賛されている打鍵感も、正直なところ好みが分かれると思います。
加えて、市場における製品ラインナップも少なく、選択肢も限られています。
その他の検討事項
キーボードを選ぶ際、構造以外の重要な検討事項は、テンキーの有無と配列(日本語or英語)です。
他にも有線or無線や、ユーティリティの有無など、人によっては購入の決め手となり得る要素もあります。
それでは、詳しく見ていきましょう。
テンキーの必要性
多くにキーボードに付属する、電卓と同じ並びの「テンキー」。
特にメンブレン式の爆安品は必ず付いているので、デスクトップPCのキーボードはテンキー付きが標準、というイメージを持つ人も多いですね。
実際に、気づいたら何となくテンキーを使っていた、という人も多いでしょう。
このテンキーの存在は職場等で見慣れている事もあり、逆にテンキーレスのメリットは意外な程認知されていないように思えます。
テンキー付きのメリット
周知通り、テンキーは半角数字をダイレクトに入力できる為、素早く数字を入力したい場合に便利です。
Excelなどで数字入力の多い人に恩恵が大きいですが、数字を含む長文を高速で入力する場合にも利点があります。
筆者は今でこそテンキーレス派ですが、実はアスガルド廃人時代、テンキー付きの爆安品(BUFFALOやELECOM等)を愛用していました。
このゲームは数字キーとスペースキーの消耗が凄まじく、パンタグラフ式の場合だと使用頻度の高いキーが1ヶ月で3回くらい死にます。
当時の筆者としては左手でスペースキー+右手でテンキーのプレイスタイルが効率的だったし、高価な製品の耐久性も疑っていたので、1,000円未満の爆安品を使い潰して買い換える選択肢しか無かった訳です。
結論を言うと、テンキー付きキーボードのメリットは、
- 1,000円未満の爆安品を選べる点
- 半角数字の入力が多い作業で便利な点
の2つです。
一方で、後述するテンキーレスのメリットがそのままデメリットになります。
テンキーレスを選ぶ理由
筆者がテンキーレスを使用するようになったのは、アスガルドのサービス終了が濃厚になった頃からです。
当時はマビノギや幻想神域といった3Dのゲームをプレイするようになり、右手はマウス操作の比重が高くなります。
狭い机の上でマウスの可動域を広げる必要性に迫られ、結果としてテンキーのスペースがマウスパッドの拡張領域へと置き換わりました。
当時の筆者はリサイクルショップでジャンクのノートPCを漁り、Linuxを入れて遊んでいた(自宅サーバー、CGIプログラミング)事もあり、テンキーレスのキーボードに違和感は無かったです。
現在はブログなどで大量の文字を打ちますが、Excelの事務作業はやらない為、テンキーレスが支障になる事もありません。
それではテンキーレス・キーボードのメリットをまとめます。
- 狭い机に設置しやすい(省スペース)
- マウス可動域の拡大
- 右手の移動量減少によるストレス軽減
- キーボード自体の見た目
現状では、事務職でもない限りテンキー付きのメリットは薄いと考えています。
特に、筆者と似たような用途の人であれば、テンキーレスのキーボードをスムーズに導入でき、その恩恵の大きさに驚く事でしょう。
英語配列はやめておけ…
悪い事は言いません。
黙って日本語配列を選びましょう。
確かに、プログラマーで英語配列の方が作業効率が良いとか、特別な理由があって英語配列を選ぶなら止めはしません。
しかし、一般人が「日本語配列はEnterキーの形がダサいから〜」程度の理由で軽率に英語配列を選ぶと地獄を見ますよ。
デスクトップ用のキーボード単品なら買い換えれば済みますが、MacBook Proとかを買った後で「やっぱり日本語配列の方が〜」となった場合は目も当てられません。
文字と印字方法
例えば日本語配列のキーボードでも、印字は様々です。
アルファベットと記号だけなのか、かな表示も付いているのか。
文字の位置はキートップ上なのか、側面か。
配列程ではありませんが、使いやすさを語る上で無視できない部分です。
そして、キーボードを酷使する場合、最も気になるのは文字の印字方法ではないでしょうか。
安物はシールを貼っているだけなので、すぐ消えます。
レーザー印刷もシールよりマシな程度で、すぐ削れます。
昇華印刷(樹脂にインクを浸透させる)だとけっこう丈夫です。
やはりというか、印字の最高峰は2色成形(2色の樹脂を使ってキーキャップを作る)であり、構造上文字が消える事はありません。
光モノは全て2色成形と考えて間違いないですが、光らないクラシカルなモノもあります。
余談ですが、10,000円超えのキーボードでもかな表示有りで文字数が多い場合、Filcoのようにレーザー印刷+コーティングでコストカットしている例もあるので注意が必要です。
似たような価格帯のARCHISSは2色成形ですが、かな表示無しです。
光るゲーミングキーボードはコストだけでなく、デザイン上の理由でかな表示無しにしているようですね。
キーピッチとストローク
キーピッチはキーとキーの間隔です。
キーピッチが短い場合はキーのサイズが小さく、より省スペースになります。
キーストロークはキーを押し込む深さです。
ノートPCのキーボードは浅く、デスクトップ用の一般的なキーボードは深いです。
デスクトップ用でも、浅いモノが好みであれば、パンタグラフ式の製品を選べばOKです。
無線と有線
実はキーボードにも、Bluetoothなどの無線接続が可能な製品があります。
USBの有線接続と無線接続を使い分けできる製品が多いですが、筆者もiMacのキーボードが無線接続化された時は驚きました。
本体そのものを移動して操作するマウスを無線化するメリットは大きいですが、定位置から動かないキーボードの無線化には疑問があります。
筆者は配線のスッキリ感よりも、接続の安定性や充電の手間の問題で、キーボードは依然として有線接続を支持しています。
同様の理由から、ゲーマーの大半は有線キーボードを使用しているはずです。
もし、今後接続の安定度や充電の問題が解決されれば、価格次第でシェアの逆転もあり得るでしょうね…。
ロールオーバーとアンチゴースト
この2つはゲーミングキーボードの商品解説で目にする事が多いと思います。
実装する仕組みは少々複雑なので触れませんが、簡単に説明すると、ロールオーバーは同時入力、アンチゴーストは誤入力防止、です。
また、Nキーロールオーバーという表記がある場合は、複数キーの同時押し状態からの追加入力が可能です。
この機能には注意点もあり、USB接続の場合は同時押しの上限が6個になります。
最近は少なくなりましたが、PS/2接続であれば(製品が対応している事を前提に)同時押しの数に制限が無くなります。
ゲーマーは、コンマ1秒の判断ミスや誤操作が命取りになります。
勿論 PCゲームのプレイ中は画面に集中し、手元を見ずに正確な操作が要求されます。
これらの機能がゲーミングキーボードに必要な理由も肯けますが、実際はゲーム用に限らず、ある程度の価格帯の製品には付いている事が多いですよ。
ユーティリティの有無
ゲーミングデバイスに多いですが、製品によっては、ソフトウェアで挙動やLEDなどを制御するモノもあります。
キーボードのキーの割り当てや、マウスのDPIの設定などをカスタマイズできるアレですね…。
Razer やLogicool G など、ゲーミングデバイスメーカーの製品群が有名で、同ブランドのキーボード、マウス、ヘッドセットで統一する事で、LEDなどを一括で制御する事ができます。
このユーティリティの存在は、自社製品をまとめて買わせるマーケティング戦略であり、大手マザーボードメーカーも似たような事をやっています。
一方で、接続するだけですぐに使え、ユーティリティに依存しないシンプルなタイプもあります。
爆安系は全てこのタイプですが、比較的高価なモデルでも「プラグアンドプレイ」などの表記がある場合は同様です。
筆者はRazerのゲーミングマウスを購入した際、出来の悪いユーティリティの事故で痛い目に遭っているので、以後は光るタイプのゲーミングデバイスは避けています。
筆者所有のキーボード
買い物依存症患者であり、ゲーム障害なども併発している筆者は、PCキーボードも相当数買っています。
社会人になってから、合計50個は買ったと思います。
その多くはアスガルドで使い潰した爆安キーボードですが、買い物依存症に罹った後は比較的高価な光モノやメカニカルキーボードも買っています。
気分の浮き沈みに連動するかのように衝動買いと売却を繰り返した結果、筆者の手元に残った2機種を紹介します。
FILCO Majestouch 2 茶軸(テンキーレス・かなあり)
筆者がメインで使用しているキーボードは、FILCOのMajestouch 2 テンキーレスの茶軸です。
ブログなど大量の文字を打つ用途や、PCゲームで使用しています。
かな入力は使いませんが、かな有りの印字です。
印字自体はレーザー+コーティングで2色成形ではありませんが、酷使しても文字は消えていません。
筆者は青軸が好きなのですが、夜間の騒音が気になるので、茶軸で妥協しました。
2年くらい使っているものの、愛着は無く、キーキャップが2色成形でかな無しのARCHISS ProgresTouch RETRO TKL(日本語配列)か、光モノだけどLogicool GのPRO Xあたりを買えたら売却しようと思っています。
Apple Magic Keyboard 日本語(JIS)
Apple Magic Keyboard 日本語(JIS)は、iMacに標準で付いているキーボードです。
一般的なテンキーレスよりも省スペースな薄型キーボードで、無線接続のみ。
所謂パンタグラフ式のペチペチとした頼りない打鍵感ですが、Macはコレで良いと思っています。
東プレのMac用キーボードも売っているけど、社外品はiMac本体と並べた際に圧迫感というか、外観を損ねる。
Apple製品は極端な話、箱まで商品の一部なので、より使いやすい社外品があっても変える気にはならないですね。
おわりに
筆者はPCキーボードに拘る方だと自負していますが、一方で現在使用している2機種に対して不便さは感じていません。
でも、Windows向けの新製品は欠かさずチェックしているし、欲しいと思ってAmazonの欲しい物リストにブチ込んだりしています。
キーボードやマウスのようなガジェット類は、価格が極端に高くないので手を出しやすく、安すぎないので買う時に満足感を得られます。
まだ使えるのに、と分かっていても、新製品を見ると何故か衝動的にポチりたくなるんですよね。
ガジェットと買い物依存症の相性は恐ろしいです…。