ジャンクな豚ミンチのブログ。

自称買い物依存症患者による自作PCなど、ガジェット系を主体にしたブログ。

買い物依存症: 自己治療方法と効果の体験談

おはようございます。
久々に買い物依存症ネタの記事を書く豚ミンチ(id:Pork_Mince)です。
今回は買い物依存症の自己治療方法について、元患者(現在は寛解)の視点で書いていきます。

目次

  1. はじめに
  2. 効果の無かった方法
    1. 24時間待機ルール
    2. 魔法のカード使用禁止
    3. 断捨離
    4. 新しい趣味
  3. 実際に効果のあった方法
    1. 収入大幅減の転職
    2. 極力スマホを使わない
    3. ショック療法
  4. おわりに

はじめに

筆者はかつて買い物依存症になり、自作PCやジャンクギター弄り(特に額が大きいのはピックアップ)で2〜300万円溶かしています。
しかし、幸いな事に「自身が異常である」事を自覚し、自己治療に励んだ結果症状は改善し、現在は正常に近い金銭感覚を取り戻しています。
そんな筆者が、悩める買い物依存症患者の一助になれれば良いと思い、実際に試した治療法について体験談を書いていきます。

ちなみに、筆者は昔から徹底した借金嫌いで、クレジットカード決済もほとんど行いません。
また、購入した商品は確認後に短期間で売却処分する事が多く、基本的に溜め込まないタイプです。
これらの特徴は一般的な買い物依存症患者と少し異なる為、回復も早かったと思われます。


効果の無かった方法

買い物依存症に有効な対策を調べると、いくつかの定番化して出てくる方法が存在します。
実際に試した人も多いと思われますが、いずれも効果には個人差があり、上手くいかない場合は早々に見切りをつけたいところです。
今回は筆者が自己治療に取り入れて、ほとんど効果の無かった方法を紹介し、原因も考えてみます。

24時間待機ルール

買いたい!と思ったら、1日待った後で購入を判断する。
1日経てば熱も冷め、本当に必要かどうか冷静に判断できるハズ、と言う有名な衝動買い対策です。
この方法は、特売などで衝動買いを誘う戦術や、思い付きで欲しくなった少額の商品などには有効かもしれません。

一方で、凝り性や、すぐに熱中しやすい体質の人の場合、全く無意味だと思います。
何故なら、一旦「コレが欲しい!」とスイッチが入ってしまうと、1日どころか1ヶ月経っても物欲が冷めないからです。
1ヶ月も熟考した上で、それでも欲しいと思うなら買うのが正解ではないか?、と言う意見もあると思いますが…。
実際は待っている期間中、脳汁を噴射しながら興奮しているだけで何も考えておらず、衝動買いと何ら変わらない結果が訪れるのです。
筆者も半年、1年と悩んだ末に買った高額商品で盛大に爆死した経験があります。

魔法のカード使用禁止

魔法のカード(クレジットカード)は代金の引き落としまで時間がある為、利用額の把握が難しいとされます。
また、買い物依存症患者が好む決済手段としても有名であり、買い物している感覚が薄れる事で症状がエスカレートしやすく、事態の深刻化を招きやすい危険な決済手段と言えます。
買い物依存症患者は危険な魔法のカードを使わずに、現金払いや(利用額を把握しやすい)デビッドカードに切り替える事が推奨されています。

この案に関しては、買い物時に手持ちの現金を失ったり、預金残高が減る事で少なからず「痛みや罪悪感を伴う抑止力」が働くようです。
ただ、筆者としては魔法のカード廃止が治療の決定打になるとは到底思えないのです。
何故なら、買い物依存症患者は欲しいと思ったら最期、決済手段を問わず買ってしまうからです。
支払いが即時か、時間差か、の違いだけで、結局カネを浪費する事に変わりないのです。

ちなみに筆者は闘病中も、魔法のカードで決済した事は1年で1回あるかないかだと思うし、翌日には使った事を忘れています。
通販で浪費するようになった頃は銀行振込コンビニ前払いが多かったですが、症状が悪化するとデビッドカードの使用が増えていきました。
デビッドカードは即時引き落とし(口座に残高が無いと決済できない)なので、買い物の度に必要額をメイン口座から移し替えていましたが、その手間を追加しても抑止効果は皆無でした。

断捨離

買い物依存症患者は次から次へとモノを買いまくる為、部屋が汚いと言う特徴があります。
断捨離(多くの場合は「捨」の意味で認知される)を行い、部屋を整理する事で所有物の価値を再確認でき、以後の重複買いを防止できるとされます。
また、モノを大量廃棄する事で精神的なダメージを受け、物欲の減退効果も期待できるかもしれません。

しかし、買い物依存症に対する断捨離の効果は「諸刃の剣」です。
上手くハマって物欲がなくなれば良いのですが、モノの置き場所が確保できた!とばかりに爆買いする例もあります。
特に、慣れない人の断捨離は激しいストレスを伴う為、高確率でリバウンドするのです。

経済界では、消費者に「捨てさせる」事は、「買わせる」為の布石でもあります。
モノを売る為の「虎の巻」とされる、某日本のナ○ス(電○)の戦略十訓にも、「捨てさせろ」「無駄遣いさせろ」とありますから。

新しい趣味

買い物以外の新しい趣味を見つけ、それに打ち込む。
要は依存対象の変更を試みる方法です。
しかし、新しくはじめる趣味に関しては、経済的負担の少ない趣味である必要があります。
読書やランニング、(無課金前提)のゲームなどが良いかもしれません。

一方、釣りやゴルフ、ギターなど道具を必要とする趣味は上達してくると、より高価な道具を求める傾向があるので危険です。
更に、仲間と楽しむような趣味だと浪費家のコミュニティーに入り込む可能性もあり、やはり危険と言えるでしょう。


実際に効果のあった方法

買い物依存症に効果を示す方法は、個人差があるので正解は分かりません。
また、効果の期待値が高い方法は、それなりのリスクを伴う場合が多く、十分に注意が必要です。
以下は、筆者が実際に試して効果のあった方法です。

収入大幅減の転職

筆者のようにレッドライン(借金)を越えないレベルの買い物依存症の場合、軍資金が無くなれば買い物できません。
つまり、収入を減らして生活をギリギリ以下にする事で、強制的に購買行動を抑制する訳です。

ちなみに、筆者の場合は家庭の事情での転職(社畜→自営業)でしたが、個人的な理由でこの方法を行う場合はかなりの勇気と覚悟が必要です。
高い治療効果が期待できる反面、一歩間違うと生活が破綻するリスクもあります。
家庭持ちのパパなどにはオススメできないでしょう。

極力スマホを使わない

ネット上は買い物への誘惑で溢れかえっているし、手軽に携帯できるスマホはそれらの情報に容易にアクセスできる。
買い物依存症患者にとっては、ガソリンを被って火事場に突撃するようなモノです。
確かに、スマホは適切に使えば強力無比な武器になりますが、筆者のようなダメ人間の場合はそのデメリットばかりが強調されるでしょう。

筆者は完全にスマホと決別できた訳ではありませんが、スマホの使用を極力抑える事で、買い物の頻度が減りました。
特にスマホのネットワーク機能はマイナンバーカードの読み取りが必要な確定申告の他、仕事で必要に迫られた場合のみに限定して使います。
データ使用量は1Gを上限にロックしており、副作用として電話料金も抑えられています。

スマホの厄介な点は、携帯電話(通話)としての機能が主であり、生活と切り離し難い事。
非常に高機能で、電話機+プロ仕様のカメラ+事務用スペックを凌ぐパソコンが一体化しており、それが片手に収まるサイズで持ち運び可能なクソみたいに便利な機器なのです。
人間は便利なモノに慣れると、それを捨てて不便な生活に戻る事が難しいですが、スマホ使用の制限は自己治療の中でも現実的で効果が高いと思います。

ショック療法

身の丈に合わない高額商品を購入し、後の買い物を抑制する方法です。
この方法の効果は一般に、一撃必殺の浪費が引き起こすショック(罪悪感)→鬱症状よる物欲減退です。
一方で、高額浪費の前例を作る事でエスカレーションの危険性もあり、万人向けの方法とは言えません。

ただ、ショック療法は上手くハマると、購入商品への愛着と満足から高い幸福感が得られる点が魅力。
同時に、同ジャンルでの「安物買いの銭失い」を停止させる効果を伴うので、特定の趣味に由来する浪費に悩んでいる場合は試す価値があるかもしれません。
ちなみに筆者は、ジャンクギターで先述の効果が得られました。


おわりに

生活必需品を除く買い物の99%は、本来であれば無駄であるそうです。
しかし、我々消費者は情報に踊らされ、煽られ、一種の興奮状態に陥って浪費し、搾取されているのです。
その事が、自己治療を続ける過程で何となく分かってきました。

今となっては、客観的に評価して「キヂガイレベル」の買い物も笑い話にできますが、当時は本当に苦しかったし、誰かに止めて欲しいとも思ってもいました。
その点、筆者の闘病環境は恵まれていたし、治療に協力してくれた人達に感謝しなければならないでしょう。